インタビューInterview

更年期だからこそ、マチュア世代を素敵にしたい(後編)

最近では、メディアなどで報道されたり、書かれたりと、『更年期』について「世の中ごと」して捉えられ始めています。私たちの協会では、昨年末に男女計2000人規模の調査を実施しました。その中で、「更年期で辛いことは何か」、「更年期が明けたらどうしたいか」という質問をしています。女性の方の回答に、更年期期間のお洋服の悩み、そして更年期が明けた暁には、オシャレをして出かけたいという回答が多く見られました。そこで、第一回目のインタビューは、『Precious』をはじめとするファッション誌、広告や女優さんのスタイリングなどで幅広く活躍するスタイリスト押田比呂美さんに、お話を伺いました。インタビューは前編、後編に分けてご紹介します。

 

-「大人の女性を素敵にしたい」という想いでスタイリストのお仕事に取り組まれていらっしゃいますよね。

-押田さん
歳は取りますよね、今はそこで諦めて、「〇〇歳になったからどうでもいい」とか、「××は着られない」とかっていう感覚ってもうないじゃないですか。
昔の百貨店は「ミッシー・ミセス売り場」っていうのがあって、ヤングの上は「はい、おばさんコーナー」っていうのを決められてて、まだ若い時には40過ぎたらこっちに上がらなくちゃいけないのかなと、その時から不思議な感じがしてて「なんか変な売り場だな」と思ったぐらいでした。
私は年齢って関係ないんじゃないかなと思います。 着たい服は着たいし、だけど、若い人と同じような感じで無理してる人にはなりたくないし。
やっぱりエイジレスっていうか、例えば80代でも着れる服がたくさんあるじゃないですか、年齢別で区切った見せ場みたいな売り場じゃないほうがいいと思ってるんです。
海外なんかは、自分の似合うものを着るっていうスタンスがありますからね。 「大人のエレガント」っていっぱいあるんですよね。
ただ、いろんな経験をして変化をしていくということで、やっぱりその大人の女性として変わってもらうチャンスを提供したいなって気持ちです。
雑誌をメインにやってきてて、自分の年齢に沿って、20代の雑誌から始まり、30になったら30代の雑誌、今は40から50代アップでやっていますが、またさらに年齢は上がっていくんですけど、このように変化はしてきますよね。だからファッションに対しての新しい提案をしていきたいなと思ってますね。常に変化を求め、無理してではなく、少しずつステップしていくっていう。

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